両生類の飼育
比較的簡単に飼育できる両生類には、カエル、イモリ、サンショウウオ、ウーパールーパーなどがあります。
両生類をペットとして飼うには、基本的な飼育法の知識を身につけることが大切です。
まずは、ペットの棲みかとなる水槽を用意します。
大きさは広めで、材質はプラスチックが理想です。
カエル類はジャンプをするため、高さのあるものがベストです。
逃げてしまわないように、必ず蓋付きのものにします。
水道水のカルキを苦手とするため、水は1日汲み置くか、カルキ抜きを入れたものを用います。
水はすぐに汚れてしまうため、毎日水は取り替えます。
面倒な場合は、水の汚れを防ぐ濾過装置を用いると取替え回数が楽になります。
ペットの種類によっては、敷き砂を置いて陸場を造り、また低床を用意します。
付属品としてシェルター、岩、つぼ、流木、プラントなどを適所に設置します。
水槽の設置場所は、直射日光を苦手とするため、光が当たらない場所を選びます。
また、高温や低温に弱いため、専用の温度計を用いて温度管理をすることが健康管理のためには必要です。
エサは、カエルの場合は動くものしか食べないため、生きたミミズやショウジョウバエを与えます。
冷凍ものなどを棒の先につけ、カエルの目の前で動かせば食します。
カエル以外の場合は冷凍のイトミミズ、アカムシ、また乾燥させたミミズなどを与えます。
病気になった時に、診察してもらえる動物病院の所在地をあらかじめ見つけておくことも大切な心がけです。
両生類飼育に必要なもの
両生類の飼育に必要な器具・道具は、種類のさまざまはありますが水槽、エアーポンプ、隠れ場となる石や植木鉢の割れたもの、水草などを準備します。
水槽の中には、水域と陸域を作りましょう。両生類はこの間を移動します。陸域には石などで隠れ家を作ってあげましょう。
また土で水の汚れが気になるときは、乾燥したミズゴケをホームセンターなどで買ってきて使う方法もあります。
幼体の時には、水中生活が主となるので陸域とのバランスは成長に合わせて作ってあげてください。
エサは各種類で異なりなす。イモリやカエル、サンショウウオなどは小さな昆虫類やミミズを生きたまま捕獲してピンセットなどで生物に意識をさせて与えてください。オタマジャクシは植物系のエサでも卵の黄身でも構いません。このときには少量をスポイトなどで垂らすようにします。エサに関してはデリケートですので、それぞれの種類に合わせて与えるようにしてください。
飼育で特に注意しなくてはならないことは、こまめに水替えをしてあげることです。
水は意外と速く腐るので、できれば毎日。だめでも2~3日には全部の水を変えてあげることが大切です。
また飼う場所は、日光の当たらないところにしてください。
両生類飼育の病気対策
両生類は様々な細菌や寄生虫、真菌、腎腺癌を起こしてしまうヘルペスウィルスを始めとして、様々なウイルス感染症を起こしてしまう。ストレスやビタミン不足、エサの栄養バランスの悪さによって引き起こされる場合が多い。例えば一番起こり易いのは潰瘍性皮膚炎。アカアシ病とも呼ぶ。四肢や腹の皮膚が炎症を起こし、潰瘍や出血する。野生ではほとんどみられない病気なことから、水槽内の細菌汚染が主な原因と考えられている。対処法は、症状を見つけたら、隔離飼育をオススメする。また、触ったあとは手を必ず洗うことも大事。水槽の掃除の後はバクテリアの激減を防ぐために木炭を入れ、1〜2週間は放置しよう。細菌の増殖を抑えるには低温にする必要があるので、冷蔵庫に水槽を入れるのも手。10日前後入れてみて様子を見よう。またカエルなどは大きなコオロギ、砂利や水海苔などを食べてしまい、代謝の低下時には閉塞を起こしてしまうことがある。大きな異物を飲み込んだ場合等は回復手術が必要となる。また、排泄物による水の汚れではアンモニア中毒が起こり、全身が麻痺する。水を奇麗なものに取り替える必要がある。初期の段階では水の取り替えで回復する。その他にも結核症などがあるが伝染性はあまりないので、隔離したのちに薬を与えると治る場合が多い。おたまじゃくしなどの水棲種には繊毛虫類の感染によるベルベット病と呼ばれる病もあるが、いずれにせよ水槽の水を奇麗に保ち、ストレスのない環境をつくってあげることがとても大切といえよう。
両生類飼育の良さ
両生類を飼ったことのある人ならみんな共通して言えるのは2つの動物を飼っている感覚になるということです。
例えば、魚なら水の中で生活するだけですし、ほかの動物もケースやゲージの中でいるだけです。しかし、両生類は違います。カエルの子供、つまりおたまじゃくしは水の中で生活しますが、カエルになれば陸で生活します。えら呼吸と肺呼吸で全く生活が変わるわけですから、極端に言えばオタマジャクシを育てるときは魚を、カエルになったときは蛇を、育てるようなもので二つの生態を楽しむことができるのです。
餌も全く違ってくるので、飽きることがありません。いろいろな動物を飼っている感覚なので、そのいきものの一生を楽しめるのです。これだけ環境が変わるので飼育するのは大変ではと言われるかもしれません。しかし、ちょっと変わるだけでなく、ガラリと変わってしまうのが最大の魅力なのです。見た目も思い切り変わってしまうのでこれもたまらない魅力でもあるわけです。
初心者が飼うには難しいかもしれませんが、愛情を持ってきちんと育てていく分にはどの生物でも同じですので、ペットショップの店員からいろいろアドバイスをもらうなどして育てたらその楽しさを感じてもらえると思います。